豊田空間デザイン室

日々のこと
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『ぺガーナの神々』

updated: 2009年1月12日

ロード・ダンセイニ「ぺガーナの神々」(千夜千冊…第1巻  5.遠方からの返事)

千夜千冊の第1巻は、半年かかったが、12月10日で読み終えた   そしてロード・ダンセイニの本は11月末に一回目を読んだ。

この本は今でも神秘の色濃いアイルランドのかおりを漂わせた創作神話、つまりどこにもない空想の神話を集めた、小さなファンタジー集である。この薄明の神話以前の物語は、ケルトに有名な神々が生まれる以前の無名の小さな神々たちの物語だ。

物語に出てくるマアナ・ユウド・スウシャイがどのようなものか、ぺガーナがどこなのかはまったくわからない。結局、ぺガーナが終末に近いところまで進んでくるのだが、そこはふたたび「無」だか「薄明」だかに似ていて、物語はくるりと宙返りしてしまう、、。ぺガーナはダンセーニがつくった、「無に近いほど薄い薄い当初の国」、そこにはいわば「存在の薄明現象」というものがあるのだそうだ。

この本は1970年代、かの荒俣宏がまだ漁業会社の計算センターでサラリーマンをしていた頃の訳である。