豊田空間デザイン室

日々のこと
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『エラリー・クィーン』

updated: 2008年10月19日

 いつまでも犯人を知りたくない…「Yの悲劇」 (千夜千冊…少年たちの行方)
エラリー・クィーンを何冊読んだかは覚えてないが、日本では「Yの悲劇」が常にベスト1だそうだ。 3週間ほど前、読み終えた。 約500ページあるので、少々時間が掛かった  エラリー・クィーンは従兄同士の二人の合同ペンネームだが、どう合作するのか不思議でもある
 ミステリーの醍醐味は、半分は意外な筋書にあるのだが、もう半分は細部の書き込みにあると言われる。細部にヒントは隠されているのだが、ミステリーの楽しさはそのヒントを覆い隠すほど迷わされることであろう。
 「Yの悲劇」も、犯人は想像も出来ないほど、そうとう意外である。作者は過去に綴られていた犯行計画の書き手と、その書き手ではない真犯人とのあいだをあける為に細部を書き込む。 そのあいだに恐怖を誘う闇の奈落を用意できれば、作者の勝ちなのだそうだ。