豊田空間デザイン室

日々のこと
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『湿気について』

updated: 2008年9月9日

今朝の天声人語は「和辻哲郎」から、日本の風土の「湿気」について。氏の本は私にとっても座右の書、、。といっても相当以前に「古寺巡礼」と「風土」を2度ぐらい読んだっきりになっている

「風土」の文中で朝霧や夕靄(もや)、たなびく霞など、湿潤な大気の濃淡は、日本人の情緒に深く結びついてきた、、とある。  
天声人語には続けて「霧の中から現れる川舟。おぼろに潤む月・・・」。ものの輪郭をぼかす湿潤は、季節季節に日本人の琴線をかき鳴らしてきた、、、とある。
さらに、、。<夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ>と古今和歌集に。二つの季節が行き交うそらを「ゆきあいの空」と呼ぶ。兼好法師は、季節の推移に万物の流れる姿を見た。
昼近くになると、まだ夏に戻り暑いが、今朝は清々しい秋への移ろいが感じられた   昔からの日本人の季節・気候に対しての繊細な感性やその表現には、忘れてはいけないものがある。